「空間」 2003年 ガラスの裏に墨、油彩(ガラス絵)
12.8 × 39.4 cm 個人蔵
" Space " 2003
Oriental ink , oil other glass
12.8 × 39.4 cm
Private Collection
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4つ足の動物は足だけ残し、それいがいの体は空間の切れ目となり、
その切れ目のむこうからのぞく人。
違う次元との交差は、僕が長い間ずっとすきなテーマです。
ここでいう次元とは、三次元とか四次元などの次元だけでなく、
パラレルワールドや、夢や、輪廻など、様々な「別の世界」のことです。
この絵から、どのような別の世界について
思いをはせるのも、それはあなたの自由です。
この作品は当初、違う絵が描いてあり、
何ヶ月か迷ったあげく、時間をかけて少しづつ絵の具を落としていき、
おおきな空間の切れ目にしました。
その空間の切れ目に何かを描くか、
それとも何も描かないで、あえて裏地を観せるか、さらに迷いました。
結局、ごらんのような顔を描いたわけですが、
これはこの作品を手掛けるもっとも最初の段階のイメージであり、
何ヶ月も、何度も迷いを重ねたあげく
結局もともとのインスピレーションに忠実にしたがった形になりました。
小さな作品ではありますが、通常の何倍も時間と手間がかかり、
売れたときはちょっと別れがつらく、複雑な気持ちでした。